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[サンプル6(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル7(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル8]
[サンプル9(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル10(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル11]
[サンプル12(ホロスコープ解析オプション)+往復コメント]
[サンプル13(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル14]
[サンプル15(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル16(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル17]
[サンプル18(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク)]
[サンプル19(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル20(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク春分図+トランジット)]
※このサンプルは相談者の許諾を得て公開しています。
【展開】
上段 Adjustment / 4 of Swords / 9 of Discs
中段 Prince of Discs / Knight of Wands / Knight of Discs
下段 The Sun / 5 of Swords / Queen of Cups
(添付画像参照)
【分析】
中段には3枚の人物札が並ぶ。中段中央には「棒の騎士」、元素「火の火」で象徴されるパーソナリティ。純粋な男性性のエナジーに溢れ、ヴィジョン、決断力と実行力に秀でるが、細かいプランやマネジメント、体調管理や他者視点からの客観視を苦手とする。また「火の火」から「地の地」へ至るシーズンサイクルの「起点」でもある。
中段左には人物札「円盤の王子」、中段右には「円盤の騎士」で、それぞれ元素「地の風」、「地の火」で象徴されるパーソナリティを表す。元素「火」が純粋な男性性と意志・観念のエナジーであるのと対照的に、元素「地」は純粋な女性性・身体性に帰属する。「円盤の王子」すなわち「地の風」は、現場での仕切り・段取り・ルーティン管理に秀でるが、ビッグピクチャー、意思決定力に欠ける。「円盤の騎士」すなわち「地の火」は、物質、身体、現実に対する強い支配力、監督力に秀でるが、そこに背景的な文脈、微細なエナジーに鈍感で、「豪胆な大地主」のようなパーソナリティを表す。
中段に3人の人物札が並ぶ意味は何であろうか。相談内容は「周りに流されて生きてきた今、ピークを超えて如何とすべきか」というものであった。周りに流されてきた、つまり自分の意思決定、主張を劣後し、他者に求められる役割を演じ続けてきた、という自覚が、ある種の分裂した人格、一人ではない複数の自画像として、育まれたのかも知れない。「ピークを過ぎた」という言及は、「ピークに達した」とい言い換えられる。自分自身の意志や主張を劣後しつつも、何かしらの「達成感」は感じられており、それは社会や家庭でしかるべき位置にある、という感覚となっているかも知れない。それが2枚の「騎士」に現れているとすれば、そこにはもう1枚、未熟な「王子」もいる。責任ある大人として振る舞うことを求められ、それに応えてそれっぽく振る舞ってはいるが、内心の自覚としては「未熟感」もまた、感じられているのかも知れない。
下段中央には数札「剣の5」、タイトルは「敗北」、水瓶座の金星が帰属し、数字5から火星の影響も受ける。「敗北 defeat」とは、自動詞としては「徹底的に打ちのめす」であり、受動形では「打ちのめされる」となる。風の不動宮である水瓶座には、「こうと決めたらこう、だってそうなんだから」という頑固さがあり、そこに金星の「重力」、すなわち自分の好むものを全て自分に引き寄せる貪欲さが加わると、「理屈の上で正しいこと、正論を持って、それ以外の"誤った"考えを徹底的に論破、排除、破壊する」といった、恐ろしげな雰囲気を帯びる。火星の影響もまた、ここに「正しくないことは徹底否定する」熾烈さを加える。
下段左には絵札「太陽 The Sun」。死んで復活する神全般を象徴する。また太陽神アポロンからの連想で、「正しさ」「公平さ」に対する強い信念、あるいは執着を示しているかも知れない。いずれにせよ、力強く、ある種の活力源となっている。下段右には人物札「杯の女王」、元素「水の水」で象徴されるパーソナリティ。中段に3枚並んだ人物札が全て男性だったが、下段、つまり潜在意識下には、たおやかな不合理さ、女性性の極みのような「あいまいさ」もまた、息づいている。
下段3枚の並びには、思考・言語・理性によって「正しさと正しくなさ」を切り分け、それに徹底的な判断・審判を常に下そうとする「男らしさ」と、その正反対の「女らしさ」が、拮抗しているように見える。中段、つまり「周囲の期待に応えて演じているパーソナリティ」が「責任ある大人の男」であり、内心としては「未熟さ」もまた自覚しているのに比して、潜在意識下ではそれがより観念的・精神分析的構造としての「正しさ」と「曖昧さ」に引き裂かれ、常に「引き裂こう」とする熾烈な力動として、蠢いているように見える。
ここでネイタルチャートをみてみる。アセンダントは水瓶座で、7室乙女座冥王星が150度で関わっている。太陽は10室山羊座で、アセンダントにかかる山羊座冥王星と同じ「地」の元素を強調する。月は8室天秤座にあり、水瓶座-獅子座のドラゴンヘッド-ドラゴンテール軸とメディエーションとなっている。
スプレッド中段に3枚並んだ人物をネイタルに探すと、山羊座の太陽、アセンダントにかかる乙女座冥王星、さらに牡牛座で2室と3室にまたがりつつ0度でも重なっているジュノーと土星(アセンダント水瓶座の支配性であり、チャートルーラーでもある)が目に入るが、「棒の騎士」つまり「火の火」を思わせるポイントが見当たらない。そしてなるほど、8室天秤座の月と180度で対面している2室牡羊座23度にセレスがいる。23日生まれなので、23度という度数もまた印象的だ。
中段中央、現在の現在、相談者の中心に現れた「棒の騎士」こそが、実は最も「演じられた」パーソナリティであることが伺える。それは月、つまり根源的な不安の対面に形成された防衛的な「映像」、牡羊座のセレスである。牡羊座のセレスとはつまり何であるかというと、「食うこと / 食わせること」であり、もっと言えば「ゼロから1にすること」に対する、強い執着、強迫観念、とも言える。月は8室にあり、8室は遺産、過去から継承するもの、生と死を介して手渡されるもの、である。そこには公平さ(天秤座)があり、そのことが月(不安)の源泉でもある。生育史についての情報はないが、ネイタルチャートから読み取るに、伝統や財産を「正しく」継承することを求められ、それに応じようとし、しかしそこで「自分が食うこと / 食わせることを、ゼロから構築しなければならない」というような、ある種のダブルバインドのような環境があるのかも知れない。そのダブルバインドを引き受けるために、相談者は「最も強い成熟した男性」、棒の騎士という人格を形成したが、それが映像であり、未熟なままの自分も残していることを、自覚している。
太陽は10室山羊座0度にある。10室は社会的ポジション、職業などに関係し、太陽は「自分が目指してしまう自己像」を示す。相談者は「周りに流されてきた」と言いつつも、やはりそれなりの社会的/家庭的評価があり、またこれまで常にそれを志向してきたのではないかと感じられる。その自負があるからこそ「ピークを過ぎた」という感覚もまた生まれるのであろう。太陽がいる山羊座の支配星も土星であり、やはり牡牛座の土星とジュノーが何かの鍵を握っていそうだ。
ジュノーは小惑星で、小惑星は概ね「女性的」象徴性を帯びる。スプレッド下段に現れた「杯の女王」を思わせる。このジュノーは「限界 / 責任」を象徴する土星と0度であり、チャートを見渡して他に0度で重なっているめぼしい天体はないので、特に印象的だ。2室は「所有感覚」3室は「自他境界」に関係し、ちょうど2室と3室の境界線上にジュノーと土星がいる。ジュノーが「(特に女性の立場からの)パートナーシップ」を象徴する天体であることからも、男性として責任を持って任じて家族・家庭を「食わせること」に対する、強迫観念のようなものとして現れるのではないか。既婚未婚の情報はないが、なにか一連の象徴群から「男らしく食わせること」へのオブセッション、生育史的影響、その葛藤が感じられる。
相談者のいう「ピークを超えた」感覚は、どうであろうか。土星は、中年期以降に存在感を増してくるポイントだ。10室にある太陽が、中年期を超えて「役目」を果たした後、残された課題として浮き上がってくるものが土星、と言える。ネイタルからは、「自分のものは自分のもの」と「しかしそれを分かち合わなければならない責任感」の葛藤が、中年期以降のテーマとして大きくなってくることが窺える。まぁ、ある程度はできているのではないか、と思う。しかし不全感もまたあり、それは未熟な「円盤の王子」をどう扱うか、隠してきた未熟な自分をどう表現するか、受容するか、というテーマとなる。牡牛座16度ジュノーと土星は、蠍座18度金星と180度で対面している。神秘的な内省、それこそ占いやオカルトといった「暗い領域」に向けての嗜好が、「ちゃんとした大人として常に他者に対して公平でなければいけない」というオブセッションと、拮抗する。そういうことが、中年期以降、起こる。
相談内容は「ピークを超えた今、どうしようか悩んでいる」であった。ピーク、つまり10室を超えた先には、11室山羊座水星があり、天秤座天王星と90度をとっている。天王星は水星のオクターブでもあるので、このアスペクトは興味深い。つまり、ピーク前は「正しさ・公平さ(天秤座)」に対するオブセッションであったものが、ピーク後(中年期以降)は「占有・支配・統率管理」の追求へと、スライドしていく、と読める。山羊座は「頂上を極める」エナジーである。頂上を極めることは、公平さとは相容れない。また、山羊座は「社会性」、その対面である蟹座が「家庭」である。蟹座の月が何らかの生育史的な制限の中で「ちゃんとしなきゃ」という葛藤を抱え、その反動として「棒の騎士」という架空のペルソナを形成したが、中年期以降は「実際に棒の騎士をやりながら、自分の我欲を満たす」という方向性があり得る。なにが変化したかというと「正しさ・公平さ」の放棄、だろう。一種の暴君だ。そもそもこの「暴君」像は架空のものであったし、「暴君」として振る舞うことは強く禁忌、抑圧されてきた。しかし、中年期以降の「悩み」に対するヒントが、「暴君」の解放である。その時、未熟な「円盤の王子」が、未熟さこそを強みとして、際立ってくる。
ソラーアークを見ると、今年はネイタル9室蠍座木星にソラーアーク冥王星が0度で重なっている。蠍座的領域、つまり神秘的な内省、占いや瞑想などへのへの興味が高まるタイミングと言える。冥王星は蠍座の支配星であり、ネイタル金星がいる蠍座は「率直に好きなこと」でありつつ「ちゃんとしてないこと」であったから、今こそタガを外して、こうしてタロットセッションなどを試しているのかも知れない。ソラーアーク金星は去年、ネイタル11室水星と0度で重なっていたので、去年あたりから「ピーク後の世界」に対する関心が高まってきたかも知れない。もうひとつ、ソラーアークアセンダントがネイタル2室セレスと牡羊座23度で0度となっている。このセレスは「月(不安)の虚像」として要請され、最も中心的な自己像として形成された「棒の騎士」であるから、今再び、「棒の騎士としてあるということは、どういうことであるか」が問われている。そこで相談者は「ピークは超えたんだよな...」と弱気になっているが、ここまでのリーディングを鑑みるに、重要なポイントはそこではない。ここまで虚像を演じてやってきたが、それによって到達した「今」があり、その後は「隠していた真実が明かされる」のではなく「演じ続ける先に欲望を達成する」ために、引き続き「棒の騎士」をやっていくのである。そして今度は、正しさと公平さにがんじがらめにされた「棒の騎士」ではなく、我欲を追求する「暴君」としての、棒の騎士、である。
スプレッドに戻る。上段中央には数札「剣の4」、タイトルは「休戦 Truce」、天秤座の木星が帰属し、数字4から重ねて木星が強調される。ソラーアークで今年まさに冥王星と重なっている、9室の木星である。潜在意識下に埋めこまれた「正しさへの強迫観念」は、未来方向では1段階軽くなっており、一時的な「休戦」が達成されている。もうあまり、正しくなくてもいいのだろう。少なくとも、当分の間は。
上段左には絵札「調整 Adjustment」、天秤座が帰属する。この札は伝統的なタロットでは「正義 Justice」と呼ばれていて、剣を持った裁判官が描かれる。しかしこのデッキ(トートタロット)では、裁判官は道化に変化し、「正義」は「調整」に変更されている。ネイタルでは月がいて、それゆえに抑圧と不安の源泉でもあった「正義 / 正しさ / 公平さ」は、スプレッド上段では「道化の軽技」に変容している。これもまぁ、ここまでの読み通りである。
上段右には数札「円盤の9」、タイトルは「利得 Gain」、乙女座の金星が帰属し、数字9から月の影響も受ける。やはり月が言及されていて、なおかつ金星が差し示されている。裁判官から道化に、首長から暴君への変容は、一見、区別がつかない「すりかわり」のようであるし、そうあるべきだ。不安は、欲望と嗜好に、人知れずすり替わり、そのことで八方丸く治る。「利得 Gain」とはつまり「自分の取り分」であり、なんでもかんでも全てを公平に分配することを「やめて」得られる、密かな自分の資源である。
【総評】
人物札が多く、なかなかに重層的なスプレッドであるが、その実カードがいわんとするメッセージは単純でもある。ここまで演じてきて上手くなったロールプレイを「継続」し、しかしその「目的」をすり替えなさい、である。裁判官がいつのまにか道化師に、責任ある大人の男がいつのまにか暴君に変化していること。そのことによって、長らく対峙してきた内的な葛藤を「休戦」し、ちゃんとここまでの「利得」を確保せよ、ということであろう。
オブセッションの核心には「正しさ」と「男性性」があるようにも感じられる。未熟な男、あるいは両性具有的な自己イメージの探究なども、面白いのではないか。太陽は、死んで生まれ変わる。老成したと思ったら、若返っていた、そしてそのことに、誰も気づいていない、そういうドラマが楽しかろう。占いやオカルトなどにも、より一層踏み込んでも楽しいだろう。正しくなく、全然ちゃんとしていないからこそ、深いのである。
ピークとは、低みから高みに至る垂直の運動から生じる感覚だ。スプレッド上段に現れた「調整」は、転じて、水平のバランス、それも揺れ動く道化のバランスである。軽技(調整)をやっておひねり(利得)を得る、そういう新しいステージを想像してもいいだろう。それらは、ここまで演じてきたペルソナと台本の延長線上に、しれっとなされるのである。つまり、成層圏、高高度軌道、プラトーで、垂直運動が水平運動に、転じるのである。
【アドバイス】
・おちょける。おちょけを混入していく。真面目な顔をして、ふざける。
・人格を整理する。男性3+女性1は、ちょっと多すぎる。統合していきたいが、それはまぁもうちょっと長い目でやっていくことかも知れない。
・ピークを超えたというより、夜が来て朝がくるのが繰り返されている、と観念する。太陽は確かにピークを迎えるが、毎晩沈んで毎朝登ってくる。うんざりするが、まぁそんなものでもある。
【おすすめのおまじない】
・太陽礼拝。毎朝の、できれば毎朝昼夜に、太陽を拝む。 :参考
・女装。おかま口調。ドレスアップ。
・小銭稼ぎ。量り売り。大道芸
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