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【展開】
上段 Ace of Discs / The Fool / Fortune
中段 The Tower / 3 of Swords / 5 of Swords
下段 PND.(The Lovers) / 5 of Discs / The Devil
【分析】
中段中央には3 of Swords, タイトルは「悲しみ Sorrow」天秤座の土星を示す。ここでいう「悲しみ」とは、仏陀が菩提樹の下で得た悟り、「一切は虚しく、世界の本質は悲しみである」を指し、概念としては慈悲 Compassion に通じる。思考とコミュニケーションがある意味究極的な地点に行き当たり、深い理解、諦念、正しいゆえの重責のもと、停止している状態。中段右には同じSwordの5番、タイトルは「敗北 Defeat」水瓶座の金星を示す。
Defeatは「(相手を)敗北させる」「徹底的にやりこめる」という意味の動詞であり、Swords、すなわち思考と言葉の力、反論しようのない正論などで、誰かあるいは自分自身を押さえつけている状態。中央のSorrowと合わせて連想すると、思考の結果たどり着いた答え、結論、決断には、何らかの厳しさ、負荷が伴っているようだ。
水瓶座の金星という象意は、熟考に値する。多くの人間がそれぞれの価値観のままに同居する水瓶座のエナジーにあって、金星という重力源が、雑多な背景、文脈、意志、運命を持った人々をぎゅっと凝集させている。こういった集団内では、明文化されたルール、絶え間ない対話、討論によって、ある種の緊張感のもとに「秩序維持」が必要となるのだろう。Sorrowの静かな諦念は、一見穏やかで秩序が保たれているように見えるが、ガチガチの緊張感のもとに、ぴーんと張り詰めた糸のように静まり返っている。
中段左には絵札「塔 The Tower」。崩壊するバベルの塔が描かれ、火星が帰属する。時期が来て、崩壊する運命にあるものが崩壊し、溜め込まれたエナジーが解放される。札上部に描かれているシバの目は、覚醒、裁定といったニュアンスを帯び、カード下部には火を噴く口が描かれている。中段に並ぶSwordsが思考、言葉を象徴することから、火を噴く口は論難、たまりかねてついに口にしてしまう決定的な言葉、といった連想を引き寄せる。おっかない札ではあるが、留意すべきは、この札が象徴する崩壊は、蛹が蝶になるときに繭を引き裂く力であり、オリーブの小枝をくわえた鳩が描かれていることから、一時の混乱の後に何らかの希望が、少なくとも意志されている、ということだ。
下段中央には5 of Discs、タイトルは「不安 Worry」、牡牛座の水星が帰属する。どしっと鈍重な牡牛座のエナジーに、素早く動く水星が入り、揺さぶられ、振動する。5という数字からやはり(必要な / 必然的な)崩壊、破壊、変化が示唆されるが、物質と感覚を象徴するDiscは、本来的に揺れ動きを嫌う。基本的にはじっとしていたいのである。じっとしていたいのに、細かく揺れ動かされるので、不安になる。しかし、それは振動であり、物質の破壊ではないのである。固まった状況に対して変化の一撃を加えるときのドキドキ感、という風にイメージすればよいだろう。
下段左には「保留」の札が出た後、追加された一枚は絵札「恋人たち The Lovers」、結婚式の風景が描かれ、双子座が帰属する。中段のSwordsが象徴する風の元素が、双子座でここでも強調されているが、コミュニケーション、パートナーシップ、二者択一といったテーマがこの札の象意である。「保留」の後に出たことから、対人関係や未来の選択において、決断の時が迫ってはいるが、未だ様子を見ながら身構えている、タイミングを見計らっている、というような印象を受ける。下段右には絵札「悪魔 The Devil」山羊座が帰属し、荒々しい生命力、繁殖力を象徴する山羊と、起立する男根、はち切れそうな睾丸が描かれている。
ここでネイタルチャートを見ている。特に占いたいテーマが提示されないままのリーディングなので、ネイタルチャートとスプレッドの関係から、今話しておくべき主題を探ってみる。ネイタル太陽は11室天秤座にあり、11室冥王星とオーブ1度で今ジャンクション、5室リリスとオーブ0度でオポジション、1室射手座海王星とメディエーションとなっている。月は9室獅子座にあり、オーブ3度でMCと重なっている。MC近くには獅子座金星もあり、天頂に明るく輝いている。太陽とオポジションのリリスから、この金星は明けの明星ルシファーを連想させ、傍には新月間近の細い月も怪しく輝く。こういう風に書くと、なんだか魔女っぽい、ミステリアスな雰囲気である。スプレッド下段右の「悪魔 The Devil」を連想させる。
中段左「塔 The Tower」に帰属する火星は、ネイタルでは8室双子座にあり、獅子座月とオーブ1度で60度をとっている。8室は過去から継承しているもの、深層心理、死と性の質であり、ネイタル火星はここに激しいエナジーを注いでいる。対人関係、恋愛関係において、無意識領域に深く降りていき、徹底的に「あなたとわたし」の奥底を見ようとする傾向。MCにルシファーを仰ぎ、太陽に照らされるリリスを伴う魔女的なセンス、能力は、濃厚な人間関係、執着を志向する。
下段中央で牡牛座を振動させる水星は、ネイタルでは11室天秤座を逆行し、5室牡羊座木星逆光とオポジションをとっている。5室は自己認識、遊び、プライドを象徴し、大人としての人格の基盤にある好み、志向性、楽しみを表す。ここにはリリスとともに逆行する木星がいて、11室の逆行水星にエナジーを送っている。11室は社交、社会参加、献身を表す部屋で、中段右の5 of Swordsが連想される。リリスの魔術的エナジーと、木星の幸運のエナジーは、共に5室、自分の楽しみ、趣味性において発揮することで、太陽が持って任ずる役割「社交と献身」のエナジーソースとなる。
ネイタルで印象的なのは、11室天秤座太陽-5室牡羊座リリス-1室射手座海王星のメディエーションと、5室牡羊座木星-11室天秤座水星-8室双子座火星-9室獅子座月のクレイドル(二つのメディエーション)だ。太陽、月、水星、火星、木星が含まれ、天頂の金星が絶妙にかわしている。リリス、海王星といった魔術的なエナジー、雰囲気は相談者のペルソナを強く彩るが、火星、水星、木星を含むクレイドルは、困難な状況にあっても「なぜかなんとかなる」現場力、融通をきかせるスキル、調整力を発揮する。MC近くにある月は、社会的な立場、職業などにあって、ステイタスや収入よりも「素の自分」を優先し、自営業や芸術家などを志向する。11室太陽は損得抜きの社交性を自らの役割として持って任ずるが、冥王星、逆行水星、逆行木星、リリスのエナジーが流れ込み、一筋縄ではいかない問題提起、厳しい規律の要求、逆境に強いが故に安定しない、ある種のトラブルメイカー気質を暗示する。しかし、クレイドルがもたらす「現場力」によって、トラブルメイカーは大体において、愛され、意外なハッピーエンドをもたらすトリックスターとして振る舞うだろう。
ここでスプレッドに戻ってみる。中段下段で強調される論難と決断、下段に蓄積された変化を求める激しいエナジーは、コミュニケーション上の対立/対決と、それが必然的に引き起こす環境変化の「予感」とともに、虎視眈々とタイミングを見計らっている。あるいはすでに「塔」に象徴される変化は、部分的にでも始まっているのかも知れない。今回の変化に、相談者は「思考」「規律」「正義」で対峙しているが、それが一種の「剣呑な」ムード、融通の効かない硬直状態、過度な緊張状態を漂わせている。この緊張感の高いエナジーはどこに向かって噴出していくかというと、上段中央には「愚者 The Fool」がいる。上段左にはAce of Discs、伝統的にタロット作者が署名する札であることから、アイデンティティを象徴する。上段右には「運命 The Fortune」があり、木星が帰属する。木星はネイタルでは5室牡羊座にあって、11室水星に「運の良さ」のエナジーを送っている。緊張感の高い中段、下段に比べて、上段はあっけらかんと解放的で、本来の「素の自分」が伸び伸びと、幸運にサポートされながら、自由になっている。「愚者」はゼロ番の札であり、最も重要な意味は「自由」である。彼のバッグには全ての惑星のDiscsが詰め込まれ、炎とダイヤ、ぶどうの房を携えている。彼は酩酊する春と狂気の神、バッカスであり、何も持たず、全てを所有する。
【総評】
なにやら思い詰めたような深刻な雰囲気から、来る「解放」の季節に向かって、事態は進捗しているようである。必要な対立、対峙、決断、破壊に備え、不安とともに高まる自分のエナジー、手持ちの武器を確認している。状況を変化させる力は十分に蓄えられている。手持ちの武器は剣と悪魔的な生命力、なんなら魔術的なエナジーかも知れないが、全体に「5」つまり火星の、とにかく破壊しなければ、という強い気持ちが先行しているようにも見える。こういうのは個性であるから、他のやり方も吟味してみてはどうか、というのもあまり意味はないが、それでもスプレッドとネイタルから読み取れる示唆がある。向かうべきゴールは「自由」と「解放」、「本来の自分」の幸運である。それは力が入っておらず、愚かしく、自由であり、笑っている。剣を構え緊張する姿勢とは、真逆の姿勢が、向かうべきゴールなのだ、ということを、度々リマインドすることが重要だろう。「塔」は射精し萎える男根でもある。「悪魔」で規律する男根は、崩壊のエクスタシーを超えて、自由な自分自身を取り戻すのだ。
今直面している、あるいは予感している課題が何であれ、クレイドルがもたらしてきた「なぜかなんとかなる」魔術的な幸運を信じ、あまり緊張しないのがよいだろう。社交の場において、魅力的な魔女、笑うバッカスを演じ、ルシフェリックな光を朝の明るい空の天頂に置けば、それは「ダークな魔力」を「なんかなんとかなく不思議」に変換する。本来、そうなのだ。楽観、明るさ、どうでもよさ、というキーワードを携え、今一度、自分が深刻になり過ぎてないか、怖くなり過ぎてないか、客観的に見直してみるのはどうだろうか。
夜明けの天頂に輝く金星と月が、相談者の「魔女性」の本質である。それは妖しくも明るい光であり、死と性の深みへの意欲とまなざしであるが、それゆえに「暗さ」や「硬さ」を伴う言葉で語られがちである。本当は、そうではない。それは明るく、無意味で、自由なのだ。剣を置き、コインを数え、シャッフルし、1枚だけ持って、ぱぁ、と走り出せばよい。これまでも、これからも、だいたいにおいて幸運なのだから。何か決断をしようとしているが、保留もしている。せっかくだからもう少し保留して、どこかで笑いが込み上げてくるポイントがないか、探ってみるとよい。笑いが込み上げたら、そこが動くタイミングだろう。
テーマを設定しないリーディングなので、気づき、質問などでさらに精度を上げていけるだろう。気軽に質問、深掘りなどして欲しい。
【おすすめのおまじない】
・明けの明星を目視し、真昼の太陽も目視する。
・他人のためのおまじない、占いを行う。他愛もないもの、ユーモラスなものを行い、それが効果を発揮したら爆笑する。
・思考でたどり着いた結論を紙に書き、ページを閉じるか封をして、一旦忘れる。
・セックス、自慰、エクスタシーで「緊張」「脱力」「どうでもよさ」を味わう。スパもよい。
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