[サンプル1][サンプル2] [サンプル3] [サンプル4] [サンプル5]
[サンプル6(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル7(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル8]
[サンプル9(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル10(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル11]
[サンプル12(ホロスコープ解析オプション)+往復コメント]
[サンプル13(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル14]
[サンプル15(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル16(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル17]
[サンプル18(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク)]
[サンプル19(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル20(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク春分図+トランジット)]
※このサンプルは相談者の許諾を得て公開しています。
【展開】
上段 Knight of Wands / 8 of Wands / The Lovers
中段 The Universe / 5 of Swords / 7 of Wands
下段 7 of Cups / 7 of Swords / The Aeon
(添付画像参照)
【分析】
中段中央には数札「剣の5」、タイトルは「敗北 Defeat」、元素・風、水瓶座の金星が帰属し、番号5から火星の影響を受ける。Defeatは「徹底的に打ちのめす」という意味で、受動形として「打ちのめされる」となる。相談内容は「具体的な悩みがあるわけではないが、うだつが上がらない」感覚が述べられていることから、ここでは「打ちのめされている」感覚と読むのが妥当であろう。元素・風は思考・言語・コミュニケーションの領域を司り、この敗北感も「そのように思考している」という点に留意すべきである。相談者は「口頭で人に何かを説明する場面」に困難を感じており、元素・風のエナジーに不得手感、不全感がある。IT系ということもあり、論理的思考にはそれなりに長けている筈ではあるが、その思考が「敗北感」を演算し出力していることには、何かしらのバグ、論理矛盾が存在することを意味する。
中段右には数札「棒の7」、タイトルは「勇敢」、元素・火、獅子座の火星が帰属し、番号7から金星の影響を受ける。相談者の心中を支配する「うだつの上がらない感じ」≒「敗北感」に対し、それでもなお「なんとかしよう」という意志=元素・火のエナジーも存在し、それは「自分ならできる筈だ」という自信に基づく。思考は「うだつのあがらなさ」を出力するが、意志・欲望は「自分はもっとできる」と確信している。金星のエナジーが健やかに扱えていれば、この確信は健康的な自己愛、自己肯定感、活力を生み出す。しかし、金星のエナジーに不全があると十分な自己肯定感が得られず、自分に対する厳しすぎる基準、「まだまだこんなものではダメだ」という攻撃性が、自分に向いてしまう。それもまた善し悪しではある。
中段左には絵札「宇宙 The Universe」、22枚の絵札の内最後に割り振られるカードであり、土星が帰属する。中段中央と中段左が「剣(風)」と「棒(火)」であり、ともに男性的エナジー、さらに共通して火星のエナジーであるが、中段右の絵札「宇宙」は、極めて女性的なエナジーを象徴する。裸の女が宇宙の中心で、蛇と踊っている。中段3枚の並びには、現状に対する問題意識と向上心 - それが健全な自己肯定感に支えられるか、熾烈な自己否定に駆動されるかはさておき - と、そのエナジーが巻き起こるフレームとして、相談者には必要十分な「認識」、つまり自己存在=男性性と、他者存在=女性性が存在していることを表す。人間認識の限界を象徴する土星とは、つまり自己を育み、限界づける「母」である。相談者と母親との関係がどうあるかを連想するが、この女性性の認識もまた、よく働けば健全で生産的な向上心、悪く働けば出口のない閉塞感、へと、良きにつけ悪しきにつけ、変化する。直感的には、強い火星のエナジーは、母、他者、世界に対する健全な信頼感に基づくのであろうと読むが、相談内容のキーワードから「うだつのあがらなさ」が、一種の思考のバグとして読み取れ、少し複雑な母子関係があるのかも知れない。例えば、「今の自分ではまだまだ、母の理想には足らない」というような、向上心と自己肯定感のアクセルでありブレーキでもあるような、ある機構が存在するのかも、知れない。
下段中央には数札「剣の7」タイトルは「無益 Futility」、元素・風、水瓶座の月、番号7から金星の影響を受ける。中央中断「剣の5」同様、ここでは相談者の論理的思考が、どうしても後ろ向きで、深いレベルから「無力感」を生成・出力していることが伺える。下段左には数札「杯の7」、タイトルは「放蕩 Debauch」、元素・水、蠍座の金星が帰属し、番号7から金星の影響を受ける。中断は2枚の火星の札と、圧倒的で力強い女性性、そして金星の影響が並ぶ。同様に、下段の2枚の「7」も、金星が優勢である。相談者の「自分ならやれる筈」「こんな自分ではまだまだ足りない」という向上心、問題意識の背景には、思いの外「女性性」の影響が強く、ここでやはり母子関係に思い至る。相談者は、自分で思う以上に、無意識的に「母」の影響化にあり、葛藤しているかも知れない。
下段右には絵札「永劫 The Aeon」、元素・火が帰属する。子宮を模る天空の女神ヌイトの体内に、童神ホルス、そしてその「不可視の双子」ホールパールクラートが顕現している。この絵札もまま非常に「女性的」なエナジーを表す。「剣の7」が示す無力感は、自身の論理思考が「むしろ好んで」出力する「甘美な無力感」であり、それは母の子宮に微睡むような「放蕩」の沼地での、抗いがたい湿り気の魅力である。この湿り気を焼き払おうと、火星のエナジーを奮起しようとするが、ここまで並んだ札の様相からは、そのような男性的奮闘をまるごと飲み込んでしまうような、圧倒的な女性性=金星のエナジーを感じる。
自らを包み込んでしまうような世界=子宮のなかで、自ら生まれ出ようと戦う相談者は、エナジー的には拮抗しているのであるが、その論理的思考のエナジーは常に「敗北」と「無益」を出力する。なるほど、これはつらい。しかし、ここに問題、バグがあることが定義できれば、バグフィクスの手順もまた見えてくるだろう。
ここでネイタルチャートをみてみる。深夜2時の出生ということで、これは午後2時の誤記という可能性もあるが、とりあえず深夜2時で読んでみる。アセンダントは山羊座、太陽は2室魚座、月は7室獅子座にあり、スプレッドの中段と下段に強調された要素が現れている。相談内容が「敗北感」「無力感」「自己肯定と否定の葛藤」にあることから、太陽がいる2室をみると、そこに金星と水星がほぼ重なっている。スプレッドが暗示する「無意識的な母の影響(金星)と一体化し、出られない思考(水星)」がここに現れている。2室は原初的な「わたしの世界」を示し、自分が持っているもの、自分が存在し得る世界の「限界」と「重力(魅力)」を示す。
さらに水星と金星はMCと120度であり、成人して以降の方向性や目標設定にと直結している。これは、自身が生暖かい子宮と、その中で必然的に出力される無力感、あたかも論理的である「かのように信じられる」思考の枠組みが、現在の自己到達イメージや、職場環境、これまでの人生の選択そのものを強く方向づけていて、それに無自覚である可能性を示唆する。魚座は「眠り」のサインであり、蠍座は「継承」のサインである。相談者は、眠ったまま、母の影響を継承している。かくも強烈な磁場、重力場がなぜに形成されているのか、ネイタルからさらに探ってみる。
チャートルーラーである土星は4室牡牛座にあり、4室はまさに「ホーム」そして「母」の室である。4室牡牛座には同時に木星もあり、強い母・家庭の重力場の中でもそれなりにのびのびと、居心地よくやれる環境があるようだ。この木星は1室水瓶座海王星と90度で緊張しており、ITなど「風」の元素の領域で自己を形成し、地と水の女性的な場から離脱を試みる生来的な指向性を示唆する。水瓶座の支配星もまた土星であり、(実際の母親であれ、象徴的な母であれ)「暗い母」の重力場は、相談者の認知世界の外枠を包囲しているように見える。
女性性、母を示す月はというと、社会参加の最初のステージである7室にあり、獅子座の男性的なエナジーに浴している。獅子座の支配星・太陽は、観た通り2室魚座にあり、原初的な、子供時代の「世界」の限界内でまどろんでいる。どこまで行っても、女性的な重力場から逃れられないような印象を受ける。7室月は11室射手座冥王星とセレナと120度で強調しており、成人後の独自の人間関係によって、なんとか「自分の人生」を獲得しようとする奮起と、裏返しの不安を表す。この月もまた、4室土星と90度で緊張し、母の視線から免れていない。
それでは、相談者が奮起する火星はどこにあるか。3室牡羊座にあり、本来の座(火星=牡羊座の支配星)にある。3室は「わたしとあなた」、自他境界線の芽生える質であり、牡羊座は「はじまり」のサインである。牡羊座火星は8室PoFと120度で強調し、相談者の「男性的な抗い、奮起」を幸運によって後押ししている。
ここまで「母の重力場」を繰り返し指摘してきたが、相談内容からは実際の母子関係は判断できないので、もし母親がすでに不在だったり、そこまで執着のある関係性とは思えないようであれば、「母的なるもの」「女性的なるもの」と置き換えて読んで欲しい。いずれにせよ、相談者の特質を強く彩っているのはこの「女性性」であり、男性の場合、それは基本的には有利に働く。多くの男性は、女性性を理解するために、およそ人生の殆どと言えるほどの時間を要するからだ。相談者の内奥には、あらかじめ疑いようのない「女性性」の闇があり、それは他者との関係や芸術、哲学などにおいて多大なアドバンテージをもたらすだろう。しかし、それが足枷となって働くとき、むしろ男性性の健全な発達が阻害され、敗北感や無力感という「誤出力」につながる。
相談者「社会的活動とは別に何かを始めたい」と述べている。これが職業とは別の、趣味やライフワークのようなものをイメージしているのであれば、それは相談者の豊かな女性性と、必要な発達を遂げた男性性の発露として、納得がいくものである。しかしまた「社会的活動とは別」というあたりに、ホーム、子宮、子供部屋の「外」に対する無関心、あるいは拒絶感が、感じられなくもない。しかしまた、男性でありながら自身の深く豊かな女性的エナジーを探求するということは、芸術や納得のいく人生において、とても有用なものである。
スプレッドに戻る。上段中央には数札「棒の8」、タイトルは「素速さ Swiftness」、射手座の水星が帰属し、番号8から水星の影響を重ねて受ける。中央左に現れた「棒の7」、自己像を自分の力で獲得しようと奮起する火星のエナジーは、一段階弱められ、小回りの効く適度な電圧まで下がれた上で、知的探求や「子宮以外の場所」へと向かっている。中段と下段で「誤出力」を出していた風のエナジーは、ここでは地道ながら着実に「遠さ」に向かって、満足のいく推進力を得ている。上段左には人物札「Knight of Wands」で、元素・火の火、決断力に溢れ力強く成熟した男性が描かれている。端的に「父性」を連想するが、ここでは相談者自身の未来イメージ、理想像と捉えてみる。上段右には絵札「恋人たち The Lovers」、双子座が帰属し、男と女、白と黒、赤と白の錬金術的な結婚儀礼が描かれている。長らく相談者自身の「見えない柵」であった、内なる男性性と強すぎる女性性の葛藤、あるいは現実の親との関係は、ここでは成熟と同意によって、解消されている。
相談者が「社会的活動とは別に」なにかを始めるのであれば、自身の「女性性」を真正面から掘り下げ、豊かさを汲み出すようなアプローチ、芸術や、あるいはカウンセリングなどもいいだろう。自身が占い師になってみる、というのも手だ。そのように、自分自身の女性性と男性性を統合することによって、これまで抑圧され、発達を阻害されてきた男性性が成熟のプロセスを開始し、結果、「なりたいと願っていた男性像」が、具現される。
【総評】
金星と火星の強い葛藤、どちらかというと強すぎる女性性と、発達不全な男性性のアンバランスが、それでも男性的なエナジーを駆使して答えを求める相談者を、一種の「誤出力」の中で足踏みさせている。一度どっぷりと、母の懐、あるいは自身の「女性的な安らかさ」、ネイタルチャートでいる7室獅子座月の世界に、浸ってみるのがよいのではないか。押してもダメなら引くのであり、体の歪みをとるときも、右に傾いているときは左に押すのではなく、むしろそっと右に押してあげることで、左に向かおうとするバランスの力が生まれる。ふんわり、ぼうっと、やわらかく、「まぁこれでもいいか」と安らぐことで、敗北感と無力感は消え、むしろ溌剌とした活動性が生まれるだろう。
相談者を強く支配する「母の重力場」と、それが育んだ豊かで深い女性性の理解は、人生に置いて間違いなく強力な武器となり、それは内省的な芸術や、他者との語らい、共感、カウンセリングの才能として生かすことができる。「他人に言葉で説明すること」の苦手意識があるのに、カウンセリングや占い師がいいのでは、とは驚かれるかも知れないが、先述した「右に傾いている体はもっと右に傾ける」機序によれば、例えば自身がカウンセリングを受けてみる、占いを(今まさにそうしているが)受けてみる、なんなら自分でもやってみる、といった方法が有効であることは想像できる。下段右で、子宮の内部にまどろむホルス神と同時に、宇宙全体に充満する「不可視の双子」は、すでに生まれている。目指すべきは、とりあえずは外ではなく、内、中心のもっと中心から、ホワイトホールのように宇宙全体に放出される「出口」を見つけることができるであろう。もう一度産道を通って、生まれ直すこと。必要ならば何度でも、そういったことを繰り返して、我々は「発達」していく。
ネイタル金星と火星、そしてドラゴンヘッド/ドラゴンテールは、MC(天頂)とタイトなアスペクトをとっている。「社会的活動とは別に」という枠組みをやめてみて、カウンセリングや占いや、自身が興味のある哲学や神秘の世界で、「社会と関わる」ことをやってみたらどうだろうか。時間はかかるだろうが、かけた時間の分だけ、大成できる器は十分に潜在しているように見える。
※ネイタルチャートは午前2時で計算したが、午後2時の場合、ハウスはちょうど180度反転し、月の位置は大きく動く。主要なアスペクトは変わらないので、その場合も「太陽-水星-金星-土星-木星」の強い連鎖という主題は変わらず、月も同じく獅子座にある。もしも昼の生まれである場合、チャート解析を追加で承りますので、お知らせください。
【アドバイス】
・母親との関係をレビューする。話し合う。
・男らしさより、むしろ女らしさを掘り下げる。自分の武器として。
・人と話す。技術的な説明ではなく、心理学的な語らいを多く体験する。
【おすすめのおまじない】
・魔女術。バスソルトやアロマ。あらゆる女性的な趣味。
・無言の旅行。一人旅。旅ブログ。
・美食。美容。可能ならば、父と美食を楽しむ。
[サンプル1][サンプル2] [サンプル3] [サンプル4] [サンプル5]
[サンプル6(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル7(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル8]
[サンプル9(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル10(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル11]
[サンプル12(ホロスコープ解析オプション)+往復コメント]
[サンプル13(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル14]
[サンプル15(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル16(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル17]
[サンプル18(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク)]
[サンプル19(ホロスコープ解析オプション)]
[サンプル20(ホロスコープ解析オプション-ネイタル+ソラーアーク春分図+トランジット)]