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鑑定内容:
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※このサンプルは相談者の許諾を得て公開しています。

上段 7 of Wands / 10 of Cups / Prince of Swords
中段 5 of Discs / Knight of Wands / Ace of Cups
下段 Princess of Discs / 6 of Swords / Princess of Swords


中心にはKnight of Wands. エネルギッシュで唯我独尊、あるいは天真爛漫、時に不遜な男性。依頼内容に触れられている「とても気になる彼」と読むのが自然であろう。

その左には5 of Discs, 不安定に流転する地盤、動かすための破壊。タイトルはWorry.右にはAce of Cups、純粋な感情エネルギー。これは彼に対峙している相談者が感じる不安とときめき、と読んでもいいのだが、敢えて「彼のパーソナリティ」として読んでみる。

5 of Discsは、動かすために壊す力である。素早い流転のエネルギーである水星が、鈍重で利己的な牡牛座に入っている、という象意からは、恐ろしい破壊力というより、度を越したジョーク、という雰囲気も伺える。彼の「ドS」的キャラクター、傷つくまでいじり倒してしまう大人気ない性質。

一方、その少々やっかいな破壊的ユーモア感覚は、Ace of Cupsが示す純粋なよろこび、ときめきに突き動かされている。こういう人物は、確かに魅力的であろう。

一方で、少々うがった見方をすれば、この破壊力とときめきは彼が駆使する「飴と鞭」を表すとも読める。彼は炎の騎士、これくらいの手練手管には通じた、成熟した大人の男性である。

下段中央には6 of Swords、タイトルはScienceとある。これはバランスの取れた知性の力。下段左右にはPrincess of DiscsとPrincess of Swords、二人のPrincessがいる。二人のPrincessはともに中央の6 of Swordsに向きあっており、状況に圧倒されることなく虎視眈々と状況を注視している。

自身が「火」である中央の「彼」を囲んで3つの元素(Disc-地 / Cup-水 / Sword-風)が備わっている。これ全体で彼のパーソナリティを示すのならば、この人物は欲望、感情、知性、官能性という人間性の基本要素を全てマスターした、高度に洗練された人物のように見える。ここは相談者自身で検討してみてもらいたいのだが、A: 彼のイメージとしてそれくらいの人格者とみなせるだろうか? そう思えるなら、そうであろう。

或いは、B: そのような完成されたイメージよりもまだアンバランスや過剰の残る印象があるのであれば、下段の6 of Swordsは別の読み方ができる。すなわち、飴と鞭を巧みに使い分け、相談者を不安とときめきの波状攻撃で翻弄するドSの彼に対して、相談者の意識は完全に飲み込まれることを警戒し、理性的に状況を見つめている(6 of Swords / Science)、と読める。

下段左右の二人のPrincessは、上述AかBかで異なる芳香を漂わせる。下段中央のScienceが彼の力であるならば(A)、その周囲には相談者以外にも彼の魅力を知る女性たちが存在している。Scienceが相談者自身の力であるならば(B)、相談者の中で思わぬ恋の季節にときめきながらも、冷静さと多面的な視点を失わない、相談者自身のふたつの思考回路、あるいは、彼と相談者の状況を冷静に観察している相談者の味方となる女性たち、と読める。

上段中央には10 of Cups、タイトルはSatiety. 「飽和」である。溢れ出る水(感情)のエネルギーは豊かで、心地よい水しぶきを弾かせてはいるが、強度としては高いとはいえない。これは勢いよく吹き上がる噴水のエネルギーではなく、豪華だか退屈なパーティで披露されるシャンパンタワーのような気だるさと官能を帯びた、おだやかな力流である。

上段左には7 of Wands、蠍座に火星の象意。タイトルはValour「勇気」を意味するが、この勇気とは、戦いのあとで盛りに盛った武勇伝を語るような、みせかけの勇気である。

上段右にはPrince of Swords。全体では2枚の女性カード(下段二人のPrincess)と2枚の男性カード(中央Knight of Wandsと上段左Prince of Sword)が出ている。2枚の女性カードが相談者(或いは相談者の味方)を示し、男性カードは彼のパーソナリティを示すものであろう。

ドSキャラの彼は、ただ向こう見ずで独断的なだけではなく、状況を知的にコントロールする狡知にも長けている。長けてはいるが、彼はまだその「知の力」を完全に習熟しようともがいている最中であり、完全にはものにしていない。

強い欲望とビジョン、カリスマ性で生きてきた彼が、次の成長のステップとして習熟しなければならないのがこの「知性」の力であり、彼はなるほどその素養はあり、地頭は悪くはないが、Uncontrolableな知の力の暴走が「策士策に溺れる」の様相を呈することもしばしである。そこが彼のスキを生み、魅力にもなり得る要素である。彼は、「策士策に溺れる」困惑に直面することで、エゴイスティックな人心操作ゲームを卒業し、成長する必要がある。そのチャンスが、相談者との関係にはあり得るし、彼と恋をするなら、そのようにあらなければ「ならない」のである。


総評:

なるほど、ドSの彼はEnergeticで魅力的な人物である。しかし彼の魅力は「飴と鞭」の上手さにあり、セックスは上手であろうが、そこに留まってしまえば、それまでの人物だ。彼は状況を完全にコントロールしていると信じており、気楽な恋の駆け引きを仕掛けている。それは身を焦がすような恋心ではなく、ちょっとしたパーティを楽しみ、自分のプライドを満たそうとする、子供っぽい面がある。

しかし、その状況を、冷静な距離感をもって見極めている女性の眼差しがある。彼女は、もっともよいことは、どのようになることか。それを静かに、理知的に考えている。

彼女の冷静さによって、彼はゆらぎ、隙が生まれる。いまここで成長するか、しないか、彼は問われることになる。彼がどのように決断し、振る舞うか、しっかりと眼差そうではないか。彼が「策士策に溺れる」状況に自らハマり、ちょっと間抜けな姿をこぼし始めるとき、そこに愛らしさと成長の機微を認め、それを促すか、あるいは「もうどうでもいい」か、それは徹頭徹尾冷静な、本当の「知の力」を見据えた、女性たちが決めることである。


【おまじない】

・遠くにいく。大きなものをみる。一緒にみる。
・セックスだけでも充分だ、というマインドセットで、大いに彼の「飴と鞭」をベッドテクニックとして楽しむ。物足りなければ、判断する。
・女性3人で会議を開く。
・彼を褒め称え、彼の最も美しいビジョン、目標を聞き出し、判断する。



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