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About Aleister Crowley, アレイスター・クロウリーについて

ほうのしょ

Liber AL vel LEGIS (Colloquial Translation) [2012]

 

 

第2章

ほんやく:雄大くん(小学五年生)

1. ヌーよ!(そう叫んで、ハディートは隠れる)

2.おいで!秘密を学ぶんだ。ぼくはハディート、花嫁ヌイトを補うもの。ぼくは拡がらない。クハブスはぼくのお宮の名前。

3.ぼくはどこでも球の中心。彼女はどこにもない円周。

4.彼女は知られる、ぼくは決して知られない。

5.ごらん、昔の儀式はみんな黒。邪悪なものはもういらないよ。預言者が清めるもっといいもの、それでみんなの合点がいく。

6.ぼくはみんなのこころの内、すべての星の中心で燃える炎。ぼくは命、そして命をもたらすもの。ぼくを知ることは死を知ること。

7.ぼくは魔術師、悪魔祓い師。車輪の軸、円のなかの立方体。「来て!」だなんておかしいね、だっていくのはぼくだもの。

8.ヘル・パ・クラートを崇めた人は、ほんとはぼくを拝めていたの。つまんないよね、ほんとはぼくが崇めていたの。

9.ここにいるきみたちみんな、ただそれだけでほんとのよろこび。かなしみなんて、みんな影。通り過ぎて、おしまいさ。残るものも、あるにしてもね。

10.預言者よ、この書を学ぼうだなんて、よくないことを考えているね。

11.ペンを持つ手が憎いかい?だけどぼくのほうが強いんだ。

12.きみのなかの、きみの知らないぼくがいるから。

13.なぜって?きみが「知る人」だったから。そしてぼくであったから。

14.さぁ、神殿にヴェールをかけよう。ひかりが人をさらっていくよ。ひとり残らず、誰それかまわず。

15.ぼくは完全、なくてある。ぼくの数字は9、とんちんかんな人たちにはね。かしこい人なら8っていうね、8のなかの1とかね。これってとっても大切なんだ、ホントはぼくは「ない」からね。女帝と王は関係ないよ。そこにはもっと秘密があるの。

16.ぼくは女帝にして司祭。つまり11、花嫁だって11さ。

17.    わが声を聴け、嘆きの人よ。
      痛みと後悔、そのかなしみは
      死んだ人たち死にゆく人ら
      ぼくを知らない彼らの荷物

18.あいつら死んでいるんだよ、感じるってことのない彼ら。貧しく悲しむばかりの人は、放っておこう。地上の主人たちこそ仲間。

19.神は犬にも宿るかな? とんでもない! いちばんいいのが、ぼくらのもの。選ばれたのなら喜ぼう。悲しむだけなら、さようなら。

20.きれいなものと強いもの、飛び跳ね笑ってひとやすみ。ちからとほのお、ぼくときみ。

21.おちこぼれやはねっかえりに用はない。勝手に嘆いていればいいのさ、なんにも感じられないのなら。同情は王の悪いくせ。みじめや弱虫けっとばせ。強いってのはそういうことさ。ぼくらのきまり、世界のよろこび。王よ、「きみは死ぬ」なんて嘘っぱちだよ。きみはほんとは「死ぬ」んじゃなくて、まったくもって「生きる」んだ。おわかりかな?王のからだがほぐれて消えても、こころはうっとり、永遠に。ヌイト!ハディート!ラ・ホール・クイト!太陽、力とまなざし、ひかり。それらはみんな、星と蛇のしもべのために。

22.ぼくは蛇。知恵と喜び、まぶしい栄光もたらして、みんなのこころをかき乱す。秘密のワインとおくすりは、僕が預言者に教えておいたよ。そいつでみんな酔っぱらおう!そうしたからって、なんにも困ることなんかないよ。ばかみたいだけど、それがよくない、てのは嘘。いい子ぶるのも嘘っぱち。タフにいこうぜ、兄弟たちよ!不思議な気分で、全てをうっとり感じよう。神様に怒られるかもなんて、心配ご無用。

23.ぼくはひとり。神なし、我あり。

24.とても大切なこというよ。仲間のなかには隠者を目指す人もいる。彼らは森や山にはいないんだ。紫のベッドで、大きく立派で、燃えて輝く瞳を持った、女の獣に抱かれて、その髪の毛に包まれて。そういうところに彼らはいるよ。統治、輝かしい軍隊、全てのよろこび、そういうところに彼らはいるよ。そして彼らの中にはね、その100万倍のよろこびがあるよ。王と王がけんかしないように、気をつけて!こころを燃やして、愛しあうんだ。ついには怒りの日がくれば、誇りをかけて牙をむき、低きものらを踏みにじれ。

25.きみはほかの人とは違うんだ、ぼくの選んだ人よ。

26.ぼくは今にもとびかかろうと、とぐろを巻いた秘密の蛇。とぐろを巻くのは楽しいよ。ぼくが頭をもたげれば、ぼくとヌイトはひとつになる。ぼくが頭を下げ降ろし、ぴゅっと毒液吐き出せば、地球は歓喜に沸き立って、ぼくは地球とひとつになる。

27.ぼくにはすごい危険があるよ。ルーンの秘密を知らない人は、とってもヤバいミスするよ。「だから」の底に真っ逆さま、りくつの犬と滅びるよ。

28.「だから」とかなんとか、けっとばせ!

29.「だから」なんて、永遠におさらばさ!

30.「意志」が立ち止まって「なんで?」て叫び「だから」を召喚するならば、そこでおしまい、なんにもならない。

31.「ちから」が「なんで?」と問うならば、「ちから」はむしろ弱点に。

32.りくつなんて結局、嘘さ。無限と未知があるんだもの。すべての言葉は小賢しさ。

33.「だから」にはもううんざり。ただの犬っころだよ。

34.だからさ、きみたち、立ち上がりなよ。

35.儀式をしようよ、正しく、楽しく、美しく。

36.元素の儀式と、季節の宴。

37.預言者と花嫁の初夜の宴。

38.法の書が書かれた3日間の宴。

39.タフティと、預言者の子の宴。ないしょだよ、預言者よ!

40.最高の儀式の宴、神々の春秋分点の宴。

41.火の宴、水の宴。命の宴ともっと盛大な死の宴。

42.こころのなかの、毎日の宴。ぼくと語らう喜びに。

43.ヌーに捧げる、毎夜の宴、最高のよろこび!

44.そう、宴だよ!楽しもう!今がよければいいじゃん!ヌーのキッスで、永遠のひかりにとけていく。

45.犬ころたちには、さようなら。

46.できない?かなしい?ほんとはこわい?

47.ぼくがいるから、大丈夫。

48.だらしない連中は、放っておこう。知らないよ。ぼく関係ないし。慰めの言葉もないね。慰めたり慰められたりって、きらいなんだ。

49.ぼくはぼくだし、うまくやってる。滅びの奴隷はぼく知らない。死んじゃったって知らないね。アーメン。[これが4ってやつ。見えない5番手待ち構え、そこではぼくは卵の中の赤子。]

50.ぼくは青、花嫁の光に照らされ黄金色、ぼくの瞳に赤い煌めき、ひかりのかけらは紫と緑。

51.紫よりもっと紫。みえないひかり。

52.ヴェールがあるよ。色は黒。つつしみ深い女のヴェール。かなしみのヴェール、ひつぎにかける死のおおい。それってどれもぼくのじゃないし。ずっと居座るあの嘘つき幽霊を引きはがそう。きみのいたずらに、きれいごとのヴェールをかけないで。ぼくはいたずら好きだもの。きみがうまくやってくれるなら、ぼくもきみとうまくやれる。これからもずっと。

53.怖がらないで、預言者よ。こんなこと言っても、きみがあやまることはない。きみは確かにぼくが選んだ人。よろこび溢れて見上げる瞳をみせておくれ。かなしみの仮面できみを隠してあげる。みんながきみを恐れるだろう。落っこちちゃったのかな、てね。だけど、ほんとはぼくがきみを高みに連れていく。

54.きみを役立たず呼ばわりして、バカ面をさらしている連中じゃなくて、きみがやるんだ。きみならできる。連中は「だから」の奴隷。ぼくとは関係ない。句読点はお好きに。文字は?文体も数値も、変えちゃだめ。

55.英語のアルファベットの順番と数値を覚えて、あたらしいしるしでそれを示しなよ。

56.バカにするなよ!あっちいけ!ぼくに敬意を表して笑っていても、そんなの長くは続かない。いつかかなしくなったとしても、きみのことなんて知らないよ。

57.正しい人は正しいまま。卑しい人は卑しいまま。

58.そうさ!変化なんてくだらないよ。きみはきみのままで、ほかのなにものでもない。地上の王たちは永遠に王なんだ。奴隷たちは仕えるべきなんだ。落とされも引き上げられもしないよ。全てはずっと、あるがままなんだ。だけど、ぼくのしもべには仮面をつけたものたちもいる。あそこにいる乞食が、ほんとは王かも知れないよ。王は着る服を選べるんだ。確かめようがないけどね。だけど乞食が貧しさを隠すことはできない。

59.ではご用心!みんなを愛するように。どこに王が隠れているかわからないからね、だって? 何言ってんの?バカバカしい。もし王が隠れていようとも、きみには王を傷つけることはできない。

60.だから、強く、低く、打ちのめせ。やつらと一緒に地獄巡りだよ、マスター!

61.預言者よ、きみにはひかりがみえるだろう。望みもしなかった、最も望ましいひかりが。

62.ぼくはきみのこころの内で高められる。すると星々のキッスが雨のようにきみに強く打ちつける。

63.きみはうっとりとそれを吸い込んで、ぐったりとなる。吐く息は死よりも甘く、地獄のミミズの愛撫より素早く、くすぐったい。

64.ああ、きみの勝ちだ。ぼくらはきみの上に。ぼくらのよろこびがきみを包む。万歳、万歳!ヌーの預言者よ!ハドの預言者よ!ラ・ホール・クーの預言者よ!
さぁ、祝おう!ぼくらの光輝と歓喜のもとへ!ぼくらのうっとりするような静けさへ、そして王のために甘やかな言葉を書き記せ!

65.ぼくはマスター。きみは聖なる選ばれしもの。

66.書け、うっとりと書け!為すべきを為し、ぼくらのベッドになれ!生と死のよろこびに身を震わせよ!ああ、きみの死は愛おしい。だれもが心奪われるだろう。きみの死はぼくらの常しえの愛の約束のしるし。来れ!こころ奮わせ、祝おう!ぼくらはひとつ。ぼくらはない。

67.そのまま!そのままに!よろこびのうちに踏みとどまるんだ。最高のキッスに心奪われないで!

68.頑張れ!耐えるんだ!頭をあげて!あまり深く息をしないで - いくんだ!

69.あぁ!あぁ!どんな気持ち?もう言葉もでない?

70.他にも役立つ呪文があるよ。叡智曰く、強くあれ!そうすればさらなるよろこびに耐えることができる。けだものみたいになっちゃいけない。最高のよろこびを鍛え上げるんだ。飲む時は、8と90のきまりによって飲め。愛する時は、誰よりもやさしく。楽しいことは密やかに!

71.誰よりも、何よりも!

72.常に、もっと!きみが本当にぼくの仲間なら- ほんとだよ、だっていつでも嬉しいでしょ? - 死が、すべてのご褒美。

73.あぁ!あぁ!死よ!死よ!きみは死を求める。だが人よ、きみは死を禁じられている。

74.がまんすればするほど、その栄光は強く大きくなる。死を切望しながら長く生きる、彼こそ王のなかの王。

75.そう!数字と言葉を教えてあげる。

76.4 6 3 8 A B K 2 4 a L G M O R 3 Y X 24 89 R P S T O V A L. どういう意味だろうね?預言者よ、きみにはわからないし、これからもずっとわかることはない。きみの後に、彼がやってくる。彼が教えてくれるよ。だけど覚えていて。ぼくが選んだきみよ、ぼくになることを。星の瞬く天界で、ヌーの愛に従うことを。人々を助け、このよろこびの言葉を告げることを。

77.人々のうちにありて、誇り高く、強くあれ!

78.自分を高めるんだ!人々にも神々にも、きみのような人は一人もいないよ!自分を高めるんだ!ぼくの預言者よ、きみのちからは星々を凌ぐよ!きみの名前を、確かで、不思議で、素晴らしい、人間の数字を、みんなが崇めるだろう。そしてきみのお宮、418の名前を。

79.(そうしてハディートは隠れ終る。愛しき星の預言者に祝福と崇拝を!)

 

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